good news/bad news

ウェブでがっつり情報収集しようとすると、どうしても海外のサイトに頼らざるを得なくなるわけですが、これが油断してるとけっこう怖い。英語を理解することに全神経が集中しちゃうので、その真偽の程やニュースの質はないがしろになってしまいがちなんですよねえ。
たとえば最近けしからんと思った例がこの記事。またしてもSOADがらみなんですけど。
SYSTEM OF A DOWN - MALAKIAN: 'SYSTEM OF A DOWN WILL NEVER REFORM'
一見してフツーのインタビュー記事なだけにタチ悪いことこの上ないです。タイトルにはででーんと'SYSTEM OF A DOWN WILL NEVER REFORM'、つまり「SOADはもう再結成しない」とダロンが言ったように書かれているんですけど、実際にインタビュー読んでみるとダロン本人はそんなこと全く言ってないんですよ。ちなみにダロンの言葉をかんたんに訳すと、
"There's no talk of System doing anything. We're not planning on doing anything. If anyone's holding their breath for a System record, they're going to turn blue and pass out. It's a long ways away, if it ever even happens. We don't even talk about it - none of us. This (Scars on Broadway) is my band right now."
「システムとしての活動について話すことは一切ないよ。おれたちはまだ何も計画しちゃあいないからね。システムの新作に期待してる人がいるとしたら、がっかりするだろうけど。もしそれがありえたとしてもずっと先のことになる。おれたちの誰も、活動再開に関しては何の話もしてないんだ。今はScars on Broadwayがおれのバンドなんだからさ」
ってかんじになります。ここだけ抜き出すとなんてことはない発言なんですけど、タイトルと導入部で「SOADもう二度と再結成しねえ」という認識がうえつけられて、インタビュー部分を読んでもそういう解釈しか出来なくなっちゃうのです。ちょっとしたメディア側の主観と思惑で、読む人間の印象が全然違っちゃうんですよねえ。怖い怖い。国内はおろか海外のSOADファンの間でも、この記事については「ついに解散決定か…」と話題になってました。
さらに分かりやすいように全く同じインタビューを引用した別の記事をみてみましょう。こっちは良い例。
SYSTEM OF A DOWN Guitarist Says SCARS ON BROADWAY Is No Side Project
タイトルもインタビュー内容から逸脱していないし、導入部も簡潔で、読み手にちゃんと解釈の余地が与えられてます。客観性のある理想的な書き方っす。こっちの記事に目を通すと、如何に前者の記事の印象が勝手なものであるのか、よ−くわかるかと。
というように、英語に限らず日本語でもニュースを拾うときにはこういった罠に気をつけなきゃダメなのです。しんどいけど。特にね、「バンド解散!」みたいな記事はニュースバリューが高くて、あっちの人間としてはこっちの人間を釣るのにもってこいのエサなわけですよ。ちょっと斜に構えるぐらいでちょうどいいのです。ましてや昨今のブログ時代、こういう記事をみつけて鬼のクビでもとったかのように紹介しようものなら、あとあと恥をかくこと火の如し。
Don't believe the hype!