長い前置き

ウェブでの音楽レビューっつーと、ほとんどの場合アルバム単位でのレビューだったりしますよね。
音楽好きな方なら大体同意してもらえると思うんですけど、音楽に興味を持ちだしたころって、曲ごとにちゃんと歌詞カードをチェックしたり、洋楽の場合は辞書なんかもひいたりして、一枚のアルバムをすんごく丁寧に聴くじゃないですか。それが段々と耳にするアルバムの量が増えるにつれて歌詞はおろか曲のタイトルすらもあやしくなり、気づいたときにはアルバム単位で音の印象をなんとなーくとらえるようになっちゃってる、みたいなことになってたり。さらに症状が進むとアルバムどころかアーティスト名で漠然と把握してるだけ、なんてことも。
もちろんどんな音楽に対しても曖昧になるわけではなくって、色々なものを聴いているうちに時折どっぷりのめりこめる音ってのにぶつかるわけです。が、そういう体験を求めて色んなもんを手当たり次第に漁っても、曲単位までフォーカスしたくなるような存在にはそう簡単には出くわせないっす。大抵は後から思い出しても「あ、このアルバム持ってたなそういや。たしかけっこう良かったようなー」ってレベルですよ。まあ、それでも世の中にはありえない勢いで広く深くいろんなことを聞き知っている方もいるんですけど、自分はそういう領域にはとても踏み込めないっす…。
んで、個人的な話をすると、ぼくの場合は本格的に音楽を聴きだしたときからカウントすると大体2年のスパンで大きい波が三回来てます。今のところ。最初の2年はRHCP、次の2年はSOAD、そして今はPearl Jam、ってかんじっす。
彼らに関してはそこそこ胸を張って聴きこんだって言えるし、アルバムだけでなく曲ごとに詳しく把握できてるつもりっす。細かい情報までわかってるとアルバム聴き返す楽みも倍増ですから、一度はまったバンドってのは後を引きやすい。どちらかっつーと「余計なことを考えずに純粋に音そのものを感じるべき」みたいな意見が主流ですけどね、自分の直感や感受性を毛ほども信じてない人間としては、むしろディティールがわかればわかるほど楽しいんですよ。
そんな経緯で、アルバムではなく曲単位でごちゃごちゃ言ってみるのもおもしろいんじゃねーかにゃー、と思いました。はい。